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足の潰瘍

2015年12月7日更新

特定医療法人 原土井病院(フットスクリーニング外来・褥瘡プログラム)

〒813-8588
福岡県福岡市東区青葉六丁目40番8号
電話 092-691-3881

原土井病院は、福岡市東区のはずれの閑静な住宅地にあり、急性期・地域包括ケア・医療療養・
特殊疾患療養・回復期リハビリテーション・緩和ケア病棟、合計11病棟556床を有し、地域密着型の高齢者医療・地域医療に取り組んでいます。
病院グループとしては病院の半径3km圏内に特養・有料老人ホーム・グループホーム・障害者施設など様々なタイプの約15の福祉施設を有しています。
訪問看護ステーションもあり、地域の在宅医療の支援等も行っています。
皮膚科のフットスクリーニング外来では、一本でも多くの肢を救うため、血管系・神経系・筋骨格系のスクリーニング(精査)を行い、
足病変の早期発見・早期治療を目指し、適切な専門医へのゲートキーパーの役割を担い、日本フットケアサービスと共に適切なフットウェアを
提供して、足病変予防のためのフットケアに取り組んでいます。
また、入院患者様に対しては褥瘡プログラムを利用してこまめにアセスメントを行い、褥瘡の早期治療を目指しています。

 

アルコールブロックの必要性


虚血性潰瘍のため保存治療に移行したが、痛みはづづいており、それを和らげてあげたい、と思う場面に出くわすことがあると思います。こういった場面では、アルコールを使い末梢神経を麻痺させることができます。
Abeloff: アベロフによる臨床腫瘍学 第4版
Stuart A. Grossman, Suzanne Nesbit
キーポイントまとめ
局所鎮痛
局所鎮痛は、長時間作用する局所麻酔によって3時間から12時間に鎮痛状態にすることであるが、神経剥離剤(アルコール)は数週間から数ヶ月にわたり鎮痛状態を保つことができる。
通常は神経剥離の前に局所麻酔による診断的神経ブロックが施行される。これにより麻酔科医が局所の治療に対する反応を判断し、疼痛の代わりに起こる「麻痺」が耐えられる範囲であるかを考慮する。この局所麻酔で疼痛を一時的に抑えることが出来たら、アルコールをクモ膜下又は硬膜外に注射し、背部の細根にある侵害受容線維を破壊する。
これが外科的神経根切断を模擬した治療となるのである。これら神経剥離剤の注射は一般的に「恒久的神経ブロック」と呼ばれているが、通常の鎮痛期間は数ヶ月である。
ブロックの種類 例 適応 注意
局所神経ブロック
診断的
肋間神経ブロック
疼痛の病因、局所治療後の副作用を見つけ出す。
鎮痛状態は数時間しか持たない。
交感神経依存性痛の治療
星状神経節ブロック
交感神経依存性痛
繰り返してブロックする必要の可能性あり。
トリガーポイント注射
トリガーポイント注射
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)
繰り返してブロックする必要の可能性あり。
神経剥離ブロック
(アルコール又はフェノール)
末梢
肋間神経ブロック
胸壁腫瘍
鎮痛状態は通常数カ月続く。
内蔵
腹腔神経叢ブロック
すい臓がん
鎮痛状態は通常数カ月続く。
硬膜外及び脊椎麻酔
硬膜外ブロック
2~4の皮節に限局した疼痛
鎮痛状態は通常数ヶ月続く。

 

糖尿病性足病変の再発防止を目的とした外科的処置


一旦創傷が治癒すると通常は装具、足底盤、義足などでその再発を防ぐが、患者の中には足の変形がひど過ぎて十分な除圧ができなかったり、患者のコンプライアンスが悪くて装具を着用しなかったりする場合がある。
又、認知症の患者に指導を遵守させることは困難である。このような理由により、糖尿病足における創傷再発防止の為に予防的外科手術が必要となるのである。
手術は足にかかる圧を軽減させる為に突出した骨を削ったり、骨の構造を再調整するものがある。
糖尿病患者の足の外科手術に対しネガティブになる必要はない。下肢救済は有意義なゴールである。圧がかかっている部位に続いて起こる感染を防ぐ為には動脈硬化を考慮しなくてはならない。低酸素血症のアセスメント(必要時は血管外科の協力も得て)は間違いなく重要である。患者の糖尿コントロール、術後のコンプライアンスの問題、全身状態などを踏まえて、足の手術に患者が適応するなら動脈硬化の実施に良い理由となる。
糖尿病患者への足手術に対する多くの誤認が外科的手術に対するかなりの混乱を招いている。が、多くの糖尿病患者が選択的手術や除去手術と同様に感染から回復しているし、手術プランが正確になされていれば予後の経過も良好である。下肢切断のリスクを抱えているよりも、糖尿病足を外科手術することによってもたらされる利益の方が大きいと言える。手術によって足の機能がずっと長く保たれることになるし、糖尿病患者が関わる全ての足手術において有意義なゴールではないだろうか。
糖尿病性足病変の手術は以下の4クラスに分けられる:
クラスⅠ:選択的糖尿病足手術(痛覚のある患者において、痛みのある足変形を治療する)
クラスⅡ:動脈硬化(痛覚を失っている創傷のない患者において、創傷発症や再発のリスクを減らす)
クラスⅢ:治療的手術(創傷の治癒目的)
クラスⅣ:緊急手術(急性感染の進行を抑える)
今回はこのうちのクラスⅡ:動脈硬化の2手順について話したい。
その手順とは種子骨のオペで、非常に簡単であり良好な結果が得られ、第一中足骨の下に胼胝や創傷の再発を繰返す患者にとって有益な手順である。
先ずは解剖学的コンセプト、血流供給、術前評価から始めたいと思う。

 

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